【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン8週連続No.1、ザ・ウィークエンド『ザ・ハイライツ』 TOP10返り咲き
【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン8週連続No.1、ザ・ウィークエンド『ザ・ハイライツ』 TOP10返り咲き

 モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が8週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2021年1月23日付チャートで1位に初登場してから約2か月、8週連続でトップの座を維持した『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』。前週から7%ほど減少したが、週間ユニットは82,000、アルバム・ストリーミング(SEA)は75,000と高水準を維持して、2位以下と大差をつけた。週間ストリーミングは1億333万回を記録して、8週連続で1億再生を突破。登場8週で累計10億回に迫るスピード記録を達成している。

 初登場から8週以上首位を獲得したアルバムは、2016年5月21日から7月16日までの9週(通算記録は13週) を記録したドレイクの『ヴューズ』以来で、過去5年間ではその2作のみ、非連続記録を含めると、同8週を記録したテイラー・スウィフトの『フォークロア』(2020年8月から10月)を含む3作のみとなる。

 歴代のカントリー・アルバムで8週以上首位を獲得した作品は、『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』を含め以下の6作のみで、初登場からの記録としては『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』の8週が歴代最長記録となる。

18週 ガース・ブルックス『ローピン・ザ・ウィンド』(1991年から1992年)
17週 ビリー・レイ・サイラス『サム・ゲイブ・オール』(1992年)
11週 テイラー・スウィフト『フィアレス』(2008年から 2009年)
8週 イーグルス『ホテル・カリフォルニア』(1977年)
8週 ガース・ブルックス『ザ・ヒッツ』(1995年)
8週 モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年)

 続いて2位には、ザ・ウィークエンドの『ザ・ハイライツ』が先週の12位からジャンプアップして、初登場の2月20日付チャートで記録した同位に最高位復帰を果たした。週間ユニットも、前週から96%増加の52,000まで上昇している。

 『ザ・ハイライツ』 はキャリア10周年を記念したベスト・アルバムで、先週のソング・チャート“Hot 100”にいずれもTOP10入りした「ブラインディング・ライツ」や「セイヴ・ユア・ティアーズ」などの最新ヒットも収録されている。両曲は、昨年3月にリリースした4thアルバム『アフター・アワーズ』からカットされたシングルだが、各曲のポイントはその週にアクティビティが多い方に割り当てられるため、「ブラインディング・ライツ」と「セイヴ・ユア・ティアーズ」のユニットは『アフター・アワーズ』ではなく、今週アクティビティが多かった『ザ・ハイライツ』に加算された。その影響を受けて、先週6位にランクインしていた『アフター・アワーズ』は163位まで急落している。アクティビティ次第では次週また入れ替わる可能性があり、しばらくは同様のアップダウンが続くかもしれない。

 3位は先週に続きポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』(42,000ユニット)が同位キープして、先週5位にランクインしていたPooh Shiesty(プー・シャイエスティ)のデビュー・ミックステープ『Shiesty Season』(36,000ユニット)は4位に上昇。リル・ダークの『ザ・ボイス』(36,000ユニット)は4位から5位にダウンした。いずれもユニット数は若干減少しているが、ストリーミングが安定しているため大幅な変動はない。

 2月19日にリリースしたデラックス・エディションの効果を受けて、先週2位に再浮上したアリアナ・グランデの『ポジションズ』は、ユニット数を34%減少の32,000まで落とし6位に下降した。以下、リル・ベイビーの『マイ・ターン』(30,000ユニット)が10位から7位に上昇、2月12日にデラックス盤『ザ・ムーンライト・エディション』をリリースしたデュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』(29,000ユニット)が8位を、ルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』(28,000ユニット)が9位をそれぞれキープ。10位には、先週の11位から故ジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』(27,000ユニット)が再浮上した。

 今週は『ザ・ハイライツ』と『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』がリエントリーしたが、TOP10にデビューした作品はなく、3週間連続で新作不在のチャート・アクションとなった。3週連続でTOP10に新作がランクインしなかったのは、2019年1月12日、19日、26日付チャート以来約2年ぶりで、新作のリリースが少ない年末年始を除くと、2000年12月16日、23日、30日付チャート以来21年ぶりとなる。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、3月12日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
2位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
3位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
4位『Shiesty Season』Pooh Shiesty
5位『ザ・ボイス』リル・ダーク
6位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
7位『マイ・ターン』リル・ベイビー
8位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
9位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
10位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド