ピープルが販売する「ねじハピ」。DIYは男性という意識を取り払う玩具だ(写真:ピープル提供)
ピープルが販売する「ねじハピ」。DIYは男性という意識を取り払う玩具だ(写真:ピープル提供)
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タカラトミーの「ドリームトミカ サンリオキャラクターズコレクション2」。性別を超えてミニカーを (c)’76, ’89, ’90, ’93, ’96, ’01, ’21 SANRIO CO., LTD./(c)TOMY
タカラトミーの「ドリームトミカ サンリオキャラクターズコレクション2」。性別を超えてミニカーを (c)’76, ’89, ’90, ’93, ’96, ’01, ’21 SANRIO CO., LTD./(c)TOMY

 世界でジェンダーのとらえ方が見直され始めている昨今。子どもたちが触れるおもちゃの世界にも、そうした動きはあるようだ。AERA 2021年3月15日号で取材した。

【写真】年齢も性別も関係ない!タカラトミーが発売したおもちゃはこちら

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 女の子は人形とおままごと、男の子は戦隊ものと電車、車──。

 子どものおもちゃの世界にも知らず知らずのうちにジェンダーバイアスは入り込む。例えば、女の子用におままごとやお世話玩具があり、それを無意識に与えていると、女性のほうが料理やお世話をするものだというステレオタイプが知らず知らずのうちに植えつけられてしまうことがある。だが、そんな玩具にも変化の兆しが見えている。

 電動ドライバーで箱を組み立てる「ねじハピ」は、知育玩具メーカーのピープルが2018年に発売した女児向け玩具だ。入れ替わりが激しく、1年で消える商品も多い玩具市場で、4年目という健闘をみせている。

「開発当時、自分で棚を作るなど、DIYの得意な女性がテレビでよく紹介されていましたが、女の子向けのDIYのおもちゃはありませんでした」

 と担当した上原麻里衣さん(33)は話す。DIYといえば父親と思われがちだが、モニター調査をすると、家でDIYをする母親は少なからずいて、子どもたちも電動ドライバーを使いたがっていた。

「昔、お母さんがミシンをかけているのを見て、子どもが真似したがるからミシンのおもちゃがありました。今は電動ドライバーが同じ感覚になっています。チャンスはありそうだと考えて開発に着手しました」

■遊びに男女は関係ない

 一般的に乳幼児玩具は男女に分かれていないが、3歳過ぎから、周りの影響もあり、女児はピンクのもの、男児はロボットが好きといった男女の好みの差が出てくると言われる。

 6歳以上が対象の「ねじハピ」もパステルカラーを使い、星形のキラキラしたねじにするなど、モニター調査の結果を踏まえて女児好みのデザインにした。

「次は男女両方が使えるユニセックスなものにしたいと思い、19年に『ねじハピ エンジニアスタイル』を発売しました」

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