横浜市役所(C)朝日新聞社
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 横浜市の一部の市立小学校で、3月11日の給食で提供予定だった「赤飯」が差し替えられた。同市では例年、年度末になると卒業や進級を祝うために献立に赤飯が提供されていたが、今年は複数の学校関係者から不適切なのではという指摘が寄せられ、別の日の献立と差し替えたという。だが市の対応については保護者からは「給食の一品にまで自粛が必要なのか」との意見があり、被災者からも「本意ではない」といった疑問の声も上がっている。

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 横浜市教委によると、3月11日の給食に赤飯が提供される予定だったのは、市内約340の市立小学校のうち泉、瀬谷、戸塚、保土ケ谷の各区と南区の一部を含む89校。市内の小学校では毎年、全校でこの時期に卒業と進級を祝う意味で赤飯が出されており、今年も数日に分けて提供する予定だったという。献立は市教委の担当者が決めているが、3月11日に赤飯の提供を当てたのは、震災後では今年が初めてだった。

 献立は事前に各学校に通知されており、問題視する声は学校からも保護者たちからも特に出ていなかった。だが、「3月11日の数日前に、2、3人の校長先生から、『この日に赤飯を出すのはいかがなものか』という指摘がありました」(市教委の担当者)。これを受けて、同市は直前に「赤飯差し替え」の判断を下した。

「献立はあらかじめ決まっているので、基本的に替えるのは難しい。対応するのは、異物混入といった事故に近いレベルです。ただ今回は震災10年という節目の年であり、替えられるのであれば、被災者にできるだけの配慮はした方がいいだろうという判断から差し替えました」(担当者)

 献立は前年度末までに大部分を決め、下期のメニューは秋に再度の見直しをしているという。同じ担当者は「見直しで気が付かなかったのは、献立を作る際に、配慮を欠いたと言わざるを得ない」と述べた。

 この対応が報じられた後、市教委には17日正午までに、「献立を変更する必要はなかった」「横浜の学校がなぜそこまでする必要があるのか」など対応を疑問視する声が複数寄せられた一方で、「3月11日に赤飯を出すなんて、もってのほかだ」との強い抗議もあったという。

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