また、世帯視聴率よりも個人視聴率が重視されるようになったことが、年配タレント離れに拍車をかけている。個人視聴率が重視され、広告効果の高い若者や30~40代を取り込むような番組作りが求められている。
年配タレントが出ているような高齢者をターゲットにした番組は、世帯視聴率を取ることはあっても、個人視聴率はそれほど期待できないことが多いため、スポンサーから見ると積極的に広告を出したくならない。そのため、若者向けの番組がどんどん増えていて、年配タレントの居場所がなくなってきている。
それらの理由から、テレビ業界では年配タレントのリストラが進んでいる。一昔前は、小倉智昭や阿川佐和子のような功労者には、代表的な番組が打ち切られた後、テレビ局が別のレギュラー番組を用意するということもあった。
だが、今回の改編では、どうやらそのようなこともないようだ。テレビ業界の景気の悪さが抜き差しならないところまで進行していて、もはや功労者をねぎらう余裕もないのかもしれない。コロナ禍で多くの一般企業や国民が苦しんでいるのと同様に、テレビ業界も苦境に陥っているのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)