吉岡:年齢が上がって、最近いただく役は、守られる側から守る側になっていると感じます。20代前半は、弱い役は弱いままでしたが、最近は弱さの中に強さがあるとか、解決方法を具体的に考えて、守られるんじゃなく自分の力で守っていく、そういう強さがある役が増えました。「泣く子は~」の役どころは、忍耐や現実を受け入れる強さでしたが、今回のあいこはそれとは真逆の強さかもしれないですね。
——2013年から俳優のキャリアを歩み始め、9年目になる。
吉岡:デビューしてからずっと、「役を選ばない」ことを大事にしてきました。いろんな役をやってきたので、中にはちょっと歪んでいる役もありましたけど、そのおかげで役をより深めていく探求心も持てたと思うんです。年相応の役をやることも意識してきたし、それは今後も続けていきたいです。自分も年齢が上がっていくと共に心も成長していくし、それを投影できたり、役に貢献できたりする要素が増えていくと思うので。
■どんな役も挑戦しよう
——ぶっ飛んだ役も演じてきた。
吉岡:全然ウェルカムなんです。悪い役でも愛されない役でも、作品の一部になれたら本業を全うできたと思えるので。どういう役でも挑戦しようという気持ちでやってきたし、「こう思われたい」より「何ができるだろう」でやってきたのは、自分の中で良い選択だったと思っています。
——あいこはドラマの中で「胸キュン」を追い求めていく。自分の普段の生活で「胸キュン」はあるのだろうか。
吉岡:今、舞台「白昼夢」の稽古中なんですが、演出家の赤堀雅秋さんがすごく繊細に演出を付けてくださる方で。エネルギッシュな向き合い方をしてくださるし、本当にいいものを作りたいという熱量や使命感がすてきなんです。「キュン」かと言うとちょっと音の響きは違う気がしますけど(笑)、こうあるべきだし、こういう気持ちで何年も仕事できたらいいなと思えるような、作品作りとの向き合い方。その期待に自分も応えたいと思う感覚は、私にとっては結構胸キュンですね。