また、ある閣僚の秘書も「5月23日に選挙の投開票となるので、そのつもりで準備に取り掛かれと言われた」と証言する。

 永田町では今後、解散、総選挙のタイミングは3つの時期だと見られる。

1つ目は、菅首相の訪米後の5月23日。

2つ目は、東京都議選に合わせた7月初めの投開票。

3つ目は、7月下旬からはじまる東京五輪とパラリンピックが終わり任期満了に近い時期だ。

 二階派の衆院議員はこう話す。

「29日の二階氏の踏み込んだ発言は、解散、総選挙でも自民党は過半数は取れ、菅政権も続くという前提です。東京五輪が終わった後は正直、解散総選挙はやりにくい。新型コロナウイルス感染拡大で、東京五輪開催自体も危うい。東京五輪が行われたとして、日本が目標にする金メダル30個の獲得が達成できなかった場合、政治責任が追及される雰囲気になることもあり得ます。それに任期満了で、追い込まれて解散というパターンは最悪になる。それは菅首相も二階氏も同じ意見でしょう。そうなれば、5月か7月に解散に打って出る可能性が高い。私もその覚悟はしている」

 それに対して、立憲民主党幹部はこう胸の内を話す。

「解散はいつあってもおかしくない、準備はしている。しかし、正直、まだ野党は統一候補でまとまるか不透明な情勢です。任期満了に近い日程の方が、菅政権を追い詰める時間があるので助かるという感じはあるね」

 先週末のマスコミの世論調査の数字を見ると、菅政権への内閣支持率は一時よりは回復している。しかし、「不支持」が「支持」をやや上回るか、拮抗という現状が続いている。

 また新型コロナウイルスのワクチン接種も思うようには進まず、東京や大阪では感染の「第四波」という懸念が現実のものとなり始めている。

「正直、4月末解散に5月23日投開票でやりたいと思います。4月25日の衆院と参院の補選、再選挙での世論調査を自民党本部は頻繁にやっているが、数字は思ったほど悪くない。ただ、解散したが、新型コロナウイルスの第四波となれば、選挙どころじゃない。菅首相がどこでどう踏ん切りをつけるかだね」(自民党幹部)

 解散風は吹くか。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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