「ネットメディアにこの送別会のニュースが出ると、大騒ぎになった。すぐに招集がかかり、省内で調査がはじまった。送別会を言い出したのは、処分された課長。前日に店を予約した。予定時間の午後7時15分から仕事が終わった者が集まり始めた。最後に合流した職員は午後10時半ころ。時短営業のため午後9時には店を閉めなければならないのに、『まだ店を閉めないで』『あと何人か来る』などと幹事役の職員は店に掛け合っていたそうだ。誰も注意するものはいなかったと聞いている」
送別会をした飲食店は宴会場を2つをつなげて対応したという。だが、新型コロナウイルスの感染対策のアクリル板はなく、厚労省の職員らはマスクを外して大声で歓談していた。
「店が営業終了だと言っても、なかなか帰らず、日付変わるころまで居座った。店の方も困惑していたが、コロナ禍で客も少なく、
仕方なく対応したようだ」(前出・厚生労働省幹部)
実際に参加した厚労省職員らは、調査に対して次のように回答したという。
「送別会は当然じゃないかという感じで誘われた」
「断った人もいたが『なんで来ないの』と送別会の場で非難されていた」
「時短営業、午後9時で店が終了というのは頭になかった。あらかじめ、幹事役が交渉してくれていたんじゃないかと思って、遅くまで飲んでいた」
「久しぶりの外での会食、送別会で盛り上がって、時間を忘れた」
「送別される人が10名、うち3人は地方自治体から来ていた人。そういう方は断れなかったと思う」
霞が関の役所では毎年、春の異動シーズンには、送別会が多数、開催される。同じ部局もあれば、同期生同士の集まり、退職者など、その集まりはさまざまだ。
「霞が関には送別会文化がある。送別会がなければ、異動した感覚にならないという感じですね。課長以上の幹部の異動なら、コロナ禍でなければ、普通なら5、6回は送別会がある」(厚生労働省の元キャリア官僚)
厚生労働省は新型コロナウイルスに対応する最前線の役所だ。