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厚生労働省の失態続きで、田村憲久厚生労働相と河野太郎ワクチン担当相との「覇権争い」は、勝負あったとなりつつある。
河野大臣は3月30日の会見で、新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、「希望するワクチンを選択できる」とした小林史明ワクチン担当大臣補佐官の発言について「完全に勇み足」とバッサリ斬った。
厚労省が開設したウェブサイト「コロナワクチンナビ」は、製造元を選択して接種会場を検索できる仕組みになっており、加藤勝信官房長官も小林補佐官の発言をあえて否定しなかった。ところが、河野大臣は厚労省のナビについても「停止しろと言ってある。誤解を招きかねない」と上から目線で断じた。
「河野大臣と厚労省の主導権争いはどんどん先鋭化しています。河野大臣は厚労省のことを一切信用していませんし、むしろ、諸悪の根源扱いをし、情報を共有していません。だからこそ田村厚労相、小林補佐官、加藤官房長官との間でイザコザが起こる。今回の小林補佐官の発言を巡っても、河野大臣は田村厚労相に激高していました。”縦割り打破”のために送り込まれた河野大臣が、むしろ、縦割りを作っているという声が官僚の間で出ています」(官邸関係者)
ワクチンのことを「ゲームチェンジャー」と称する河野大臣は、「大臣はワクチンを利用して(権力)掌握しつつある」と官邸で囁かれているという。
「小池百合子都知事は国産ワクチンの重要性をアピールするなど、国のワクチン供給の遅れを横目に機を見るに敏です。こうした動きが一層、河野大臣の気に障り苛立たせている」(同前)
一方、足元の厚生労働省老健局老人保健課の職員23人が東京・銀座の飲食店で送別会をしていたことが判明し、大量の処分者を出した田村厚労相。自身も大臣給与2カ月分を自主返納したが、問題の送別会は悪質極まりないものだった。
3月24日午後7時15分ごろから開始し、仕事を終えた職員が次々に飲食店に集結。課員約40人中23人が集まった。厚生労働省幹部はこう話す。