

東京都は新型コロナウィルス対策の緊急事態宣言中、午後8時までの営業時短に従わなかった飲食店4店舗に対し、「制裁」を加える動きに出た。
3月末、裁判所への通知手続きを行なったと発表したのだ。改正特別措置法の45条に基づき、裁判所の判断次第で、「30万円以下の過料」が科されることになるという。4店の所在地として報じられたJR新橋、御徒町周辺などを取材するべく、記者は飲み屋街をまわった。
緊急事態宣言中、東京都では午後8時までの営業時短要請に応じなかった飲食店は実に2000店を超えた。このうち、都は深夜まで全開で営業している飲食店の事業者らに2月の段階で時短営業の『要請』を行っていた。それでも従わない場合、小池百合子都知事は「要請」を「命令」に切り換えた。
「行政法上、『命令』に従わないと過料を科すということが定められていて、それにのっとってやっている」(東京都総務局総合防災部)
都が営業時間の短縮の「命令」を出した32店舗の飲食店のうち26店舗は「モンスーンカフェ」「権八」などを展開する飲食店チェーン「グローバルダイニング」(以下、グーロバル社)だった。同社では「非常に不平等」「狙い撃ち」などと主張し、3月22日、都を提訴した。
グローバル社の店舗は、小池氏が「過料」を通知した4店舗に入っているのか。同社に取材したところ、こう回答した。
「うちは都から営業時間の短縮の『命令』を受けましたが、その命令には従いました。そのため、過料が発生した店舗はありません。今は通常営業に戻しています」(同社担当者)
都は引き続き、4月21日まで午後9時までの時短営業を要請している。
「あくまで、それは都の『要請』であって、『命令』ではないので」(同前)
ともかくにも都が「命令書」を送った32店舗のうち、グローバル社が占める26店舗では、「過料」が発生していないとのこと。となると、残るのは6店舗に絞られる。さらに、その6店舗のうち2店舗は命令に従ったらしく、残る4店が緊急事態宣言の解除(3月21日)まで、午後8時以降も営業を継続しているという。お店の言い分を取材するべく、ビジネス街として知られる新橋駅周辺を歩いた。