元婚約者は、現在は口をつぐみ、取材に応じていない。お金の返還交渉もあきらめているようだが、「泣き寝入り」に近いのが実態だろう。

 もともと、小室さんの母の佳代さんと、元婚約者の間で交わされた金銭のやり取りは、贈与という前提で始まってない。

 本誌が2018年に元婚約者に取材した資料を見返すと、佳代さんは、元婚約者に、「お借りする」「お願い」など、さまざまな表現でお願いのメールを送っている。

<当面の生活費をお借りしても良いでしょうか>(2011年3月11日)、<とりあえず10万円ほどお願いできますか>(2011年3月16日)。

 2010年秋に小室さんの大学の授業料について振り込むよう、送ったメールは、<金額¥453000(学期毎)口座番号等は明日伺った際に。>こんな文面だった。

 2012年9月、元婚約者は、佳代さんに対して婚約を解消したいと告げた。婚約解消を告げた翌13年8月、元婚約者は、経済的に困窮したこともあり、佳代さんに「返して欲しい」という手紙を出した。

 ここから両者の返還の交渉は始まる。

 小室さんは、元婚約者との金銭の返済をめぐるやり取りについて文書に、録音した会話の一部を記載している。

<元婚約者「返してもらうつもりはなかったんだ」
 母「そんなのってあるの?」>

 小室さんは文書で、

<この元婚約者の言葉と母の対応によって、たとえ元婚約者の方が金銭の返還を請求する権利を持っていたとしても、それは母の権利(損害賠償請求権)のとおりに、清算されたことになり、母が元婚約者の方への金銭を返済する義務はなくなったと解釈することができます>

 と、この録音した会話を持って、返済する義務はないと主張している。

 一方で、元婚約者の男性も、返還交渉の記録を残している。その記録によれば、以下のようなやりとりがあったという。

 佳代さんと小室さんは、「お金を返さない理由」を書いた文書を持って、元婚約者の自宅を訪ねた。小室さんも文書で認めているが、婚約者であった男性の名前や婚約解消日の日付を誤って記載された書面であった。

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「でも、返す意思はない、と?」