西村康稔経済再生担当相らは国会で「宣言をちゅうちょすべきでない。今まで以上に強い措置が必要だ」と危機感を募らせている。
吉村知事も記者会見で「街全体の人の動きをいったん停止するくらいの厳しい処置が必要」と主張。宣言がでれば、休業の要請が可能になり、要請に応じない場合の罰則も重点措置の「20万円以下」から「30万円以下」に引き上げられる。
大阪府は飲食店に加えて百貨店、テーマパークなどを含む幅広い休業要請を国と調整中で京都、兵庫両府県とも連携するという。
一方、政府は20日、重点措置の対象に埼玉、千葉、神奈川、愛知4県に拡大(期限は5月11日)する。前出の政府関係者がこう訴える。
「緊急事態宣言の流れが東京圏、そして全国へ広がることに対し、菅首相は拒絶感が強い。『医療の方ばかり向いていて経済はどうするんだ』と関係閣僚に怒り心頭だそうです。『東京には緊急事態宣言は出さない』と意固地になり、まん延防止法で何とかしのごうとしているところです。こんな状況にも関わらず、菅首相は実績作りに焦っており、ゴールデンウイーク(GW)中にインドへ外遊に出かけるつもりです。巣ごもりの国民に対しての絶好の露出の機会と思っているんでしょう。万が一、東京への緊急事態宣言発出をGWの外遊まで引き延ばすようなことがあったら、大阪と同様、過去に経験のないレベルの医療崩壊が発生することが目に見えています」
緊急事態宣言の再発出を巡っていま、重大な局面にあるという。菅政権が「人災」をこれ以上、繰り返さないことを祈るばかりだ。
(AERAdot.取材班)