阪神ファンも決して浮かれていないだろう。脳裏によぎるのは13年前の08年だ。この年は春先から首位を快走し、7月8日時点で巨人に13ゲーム差をつけた。

 しかし、北京五輪に出場した7月中旬に主軸の新井貴浩が腰痛で登録抹消となると、勝ち切れない試合が目立つようになる。

 一方、巨人は若手の坂本勇人、山口鉄也、越智大祐が台頭して猛追。9月に32年ぶりの12連勝を達成して大逆転でリーグ優勝を飾った。最大13ゲーム差をひっくり返した戦いぶりは「メークレジェンド」と名付けられ、巨人ファンは歓喜に沸いた。

 阪神は8月以降に巨人との直接対決で2勝8敗、ラスト7戦全敗が大きく響き、屈辱の逆転V逸。岡田彰布監督がこの年限りで辞任した。

 そのため、SNSやネット上では、阪神ファンから慎重な意見が多い。

「4月に優勝を語るのは早いでしょう。今は勢いで勝っているが、必ず苦しい時期が来る。その時に白星を拾えるかどうか。交流戦もそうだし、巨人との直接対決で勝ち続けることが大事。今の巨人との直接対決は3連戦で2勝1敗ではダメだよ。3連勝しないと後でツケが来る」

「まだまだ浮かれるのは早い。巨人は戦力が整っていない。巨人が元の戦力になった時に勝ち切る事が大切だ。まだもう一つの鬼門のナゴヤドームでの試合もまだだし、交流戦もまだ。この二つに勝ち越しこす事が大事だな。場所や相手がどこだろうとそんなのは関係なく勝てるチームになってほしい」

 16年ぶりの優勝を目指す阪神。その道のりはまだまだ長い。宿敵を倒し、日本シリーズまでたどりつけるか。(梅宮昌宗)