放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、大ヒット商品が生まれる要因について。
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僕は常々「なんで、今までこれ、なかったのかな?」という商品が大ヒットすると言ってます。まったくの新発想よりも、「これ、今まで誰か考えたよね?思いついたよね?なのになんで出なかったんだろう?」というものが大ヒットにつながると。
例えば、ペットボトルのコーヒー。実はペットボトルのコーヒーが発売されて、当たり前になってからまだそんなにたってない。サントリーBOSSのペットボトル「クラフトボス」が発売されたのが2017年4月。まだ5年。
その前後あたりから、ペットボトルコーヒーが流行るまで、ペットボトルでコーヒーを飲むという発想がなかったんですよね。そもそも缶コーヒーは、“短い休憩時間、リフレッシュするために1缶を飲み干す”というイメージが強かった。
だけどね、僕はいつも家でスタバのアイスコーヒーのグランデを飲むタイプ。もっと飲みたい。そして缶コーヒーだと一回開けたら持ち運べない。「なんで、ないんだろ?」とずっと思っていました。
コーヒーをペットボトルに入れるという技術的な難しさもあったのかもしれないが、一番は「そんなの需要ないよ」と思っている人が多かったんじゃないか?誰か発案した人はいたけど、「売れないよ~」と思い込んでいた。
そういうものって多いと思うんですよ。だけど、発売して今では当たり前になっている。こういう感じの商品。「そんなの売れないよ~」と思い込まれている商品が大ヒットにつながったりする。
コロナ渦で、家のみが流行り、缶ビールや缶酎ハイなど、かなり売れていると思う。続々と新商品も出ている。
そんな中で、僕がぜひ、発売してほしいと思う缶酎ハイがある。それは「お茶割り」のお酒。
ウーロンハイ、緑茶割りなどのお酒。いや、商品としてあるにはあるんですよ。
だけどね、居酒屋行って、ウーロンハイや緑茶割り飲む人、めちゃくちゃ多いじゃないですか。その割合から考えると少なすぎる。そして味的にも、決定打が出ていない。「これだ!!」というものがない。コンビニにも置いてあるけど、言い訳程度なスペース。