これらの検査でCIN3やIA1期(がんが子宮頸部に限られ、深さ=浸潤が3ミリ以内)と診断されたら、「子宮頸部円錐切除術(以下、円錐切除術)」という方法で病変部分を切除し、病理組織診断を実施する。円錐切除術はCIN3やIA1期の手術法の一つなのだが、病変を精査する検査としての意義ももつ。円錐切除術でIA1期よりも進行していたら、さらに進んだ治療を考慮することになる。
子宮頸がんはIA1期までに治療すれば、約9割は根治が可能とされる。5年生存率はI期では90%以上、II期では約75%だが、進行したIII期で約50%、IV期になると約25%ときわめて低くなる。
ワクチン接種以外に効果的な予防法はないが、子宮頸がん検診で早期発見・早期治療を図ることはできる。厚生労働省の指針では20歳以上の女性に2年に1度の子宮がん検診を推奨しており、多くの自治体では補助金を出している。おっくうがらずに検診を受けたい。(ライター・別所文)
※週刊朝日 2021年4月30日号