対戦相手以外のものとも青木は戦っている。 今は流れの早い世の中において消費されないよう戦っている? そんな風に問うと「はい、 多分俺だけなんじゃないかと思いますけど(笑)。でも、 メンドくさくなってちょうどいいんじゃないかなって」 と青木は答えた。

 19年3月、2度目の対戦でフォラヤンを破りONEライト級王者となった青木は「35歳になって好きなことやって、家庭壊して独りぼっち格闘技やって、どうだお前ら、羨ましいだろ!」と叫んだ。あれから2年、3度目のフォラヤン戦後に38歳となる青木は、変わらず好きなこと=格闘技を続けている。

 差し障りなく生きようなんて思わず、メンドくさくなることを厭わない。そのあり方が少し羨ましく思える。(文/長谷川亮)