東京都などで3度目の緊急事態宣言が発出された。切り札となるワクチン接種も諸外国から大きく後れを取り、わずかに分配された接種枠に申し込みが殺到するドタバタ劇も起きた。右往左往しているだけに思える国のワクチン政策に、ついにご意見番が活を入れた。
【アンケート結果】テレビを見ていて信用できないと思う人1位は?
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これまで出演するテレビ番組で、新型コロナウイルスについてたびたび言及し続けてきた北野武さん。たとえば東京都八王子市などで高齢者へのワクチン接種が始まったというニュースについてはテレビ番組で、「ワクチン接種会場までバスで行かなきゃいけないっていうのは、密になって嫌だね。おいらみたいなジジイがたくさんバスに乗って密になってる。ダメだよね」と言うなど、常に笑いを交えて問題点を指摘してきた。
最初の緊急事態宣言中には、感染対策のため極力自宅で過ごす生活をしていることも何度か告白するなど、常に本音でトークしてきた。お笑い芸人の明石家さんまがラジオで、番組で共演した北野さんから「さんまの飛沫が怖い。一緒にロケをするのは嫌だ」と言われたエピソードを明かしたこともある。
そんな姿から考えて、北野さんはできるだけ早くワクチン接種をしたいと望んでいるのだろうと思い込んでいた。しかし、接触機会を減らすためリモートで行われた本誌のインタビューで、まずこう言った。
「社会的風潮からすれば、おいらもワクチン打ちたいと言わないとしょうがない感じになってるよね。ただ、医療従事者や持病のある老人が先に打つべきなのはわかるんだけど、どうしておいらが若いやつより早いのか。その意味がわからない。だって、いっぱい周りに感染させている若い連中がいるわけで、そいつらは自覚症状もない場合が多いわけだろ。PCR検査で陽性になるやつも増えていて、そいつらが周りを感染させている。おいらもわれわれ世代も重症化しやすいのをわかっているから、注意して生活してる。だから、仕事でどうしても動かなきゃならない若い人たちからワクチン接種したほうがいいと思うんだよ」