今号の「インフルエンサー」特集は、まさにAERAにこそ必要な視点。というわけで、足元のSNSを改良すべく専門家のもとへ。 見つめなければいけないのは、もっと根本的な課題だった。 AERA 2021年5月3日-5月10日合併号から。
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受話器越しでも、鼻息の荒さが伝わってくる。
「今の時代、ただ雑誌を作ってるだけじゃだめだね。もちろんそれは前からわかっていたんだけど、どうやって届けるかを考えないと」
興奮気味に話すのは、本誌の女性副編集長だ。そんなこと「中の人」の私は、ずーーーっと前から気づいていたんですけど……。
この女性副編集長、最近、子育て教育誌のSNSチームにも加わり、インスタグラムの配信でライバーデビュー。読者からの質問にリアルタイムで答えたり、誌面の感想に「いいね」を押したりして、楽しんでいる。夢中になりすぎて、「スマホばっかり」と小学生の娘に叱られているそうだ。
「最初は大変なんだろうなと思ったけど、楽しい。何より作ったものがちゃんと届いてる感じがする。今回の特集、せっかくの機会だから、AERAのSNSアカウントもどうしたらもっと読者に届くか、改良してみようよ!」
AERA編集部が使っているSNSは、全部で三つある。ツイッターにフェイスブック、そしてインスタグラムとSNSの王道中の王道だ。ツイッターに関しては、2009年6月に開設した、いわば古参でもある。
古参といっても、うまく活用できているわけではない。ツイッターの公式マーク申請のタイミングを逃したのか、いまだに青いバッジはついていない。
■フォローする理由なし
AERAの「中の人」になって、約2年。エゴサーチをしてAERAに言及した投稿に「いいね」を押したり、もらったリプライに返事をしてみたり。ああでもないこうでもないと試行錯誤してきた。エンゲージメントは2倍になったが、もっとコミュニケーションをとりたい!
かくして、アエラのSNS改造計画が始まった。門をたたいたのは、SNSマーケティング支援を手掛ける「ホットリンク」。
ツイッターやインスタグラム、2ちゃんねるなどの掲示板の投稿を解析し、それをもとに企業やサービスに合った活用法を提案する。同社が支援するアカウントを見ると、フォロワーが何十万を超える企業がごろごろいて、がぜんやる気がわいてくる。
AERAもそうなれるんでしょうか。
「そもそも、読者は雑誌のアカウントをフォローする理由がないんです」