対談する菅義偉官房長官(右)と、田原総一朗氏(左) (撮影/小暮誠)
対談する菅義偉官房長官(右)と、田原総一朗氏(左) (撮影/小暮誠)
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 いよいよ夏の参院選が近づいてきた。安倍晋三政権発足から半年、「外交問題」「靖国問題」「改憲」いう難題が多く残るなか、これからどう政権を主導していくのか、ジャーナリストの田原総一朗氏が、政権の“キーマン”とも呼ばれる菅義偉官房長官(64)に切り込んだ。

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田原:韓国紙「ソウル新聞」が、特定失踪者2人の帰国があるのではないかと報じました。これに対して、飯島勲内閣官房参与は「明らかな妨害工作だ」と反論している。これはどういうことですか。

菅:妨害かどうかはわかりませんが、私たちの基本的立場とは相いれない話です。飯島さんがそうおっしゃったのなら、そういうことなのでしょう。

田原:中国や韓国との関係は悪化しています。4月下旬に麻生太郎財務相や古屋圭司拉致問題担当相など複数の官僚が靖国神社を参拝し、国会議員168人も靖国神社に集団参拝しました。すると韓国の朴槿恵大統領が5月7日にアメリカでオバマ大統領と会談した際に、「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と批判してきました。この辺りはどうお考えですか。

菅:日本には日本の立場がありますから。靖国参拝は心の問題。信教の自由がありますから、内閣として行くべきだとか行かないべきだとか、立ち入らないことにしています。

田原:でも、心の問題なら、天皇陛下も参拝できるはずではないですか? 1978年に、いわゆるA級戦犯を合祀してから、それまでは参拝していた天皇、皇后両陛下が参拝していないではないですか。

菅:陛下の参拝について立ち入って申し上げるべきではないと思いますが、閣僚が参拝するのは私人の位置づけです。

田原:4月には麻生さんや古屋さんは参拝したけど、安倍首相と菅官房長官は行かなかった。これも心の問題ですか?

菅:私たちは政権を有してますから、大局的な判断をしているということです。

田原:なるほど。行く人は行っていいと。

菅:行っていいとも悪いとも言わないということです。信教の自由ですから。

週刊朝日 2013年6月14日号