今回も、各国選手団のチームドクターにコロナ対策医師を同行させ、大会中は「合同海外医師団」を結成して、コロナ対応に専従させるなどの交渉を、IOCとWHOに突きつけるべきなのです。昨年5月に、IOCとWHOは、延期された新型コロナ禍での東京五輪の安全な開催に向けて連携していくという覚書を交わしているので、それを利用すればよいと思います。
さらに、競技会場を無観客にして、「合同海外医師団」が対応すれば、それほど日本の医療従事者は必要ないでしょう。しかし、組織委員会は観客数の判断を6月に先延ばしているのです。「無観客開催」を即刻表明すべきです。
――日本はIOCに何を求めていくべきだと考えますか。
組織委員会の橋本聖子会長は、今回の五輪開催に限定した「合同海外医師団」の結成など、IOCに対して、無理難題を強く主張して交渉すべきです。一定の要求が認められなかったら、それこそ「返上」すると強気な姿勢で挑むべきです。
(構成/AERA dot.編集部・岩下明日香)