でも私、ちょっと画期的なことを思いついたんです。
我が家の価格が暴落したということはですよ、周囲の家も同様に暴落しているということだ。しかも今後、普通に考えて不動産価格が高騰するなどないだろう。っていうかさらに下がっていくはずだ。だとすれば。この売却で得たお金を大事に取っておけば、いざとなれば余裕で家をきっと買えるはずである。そう考えれば価格の暴落は悲しむべきことでも何でもなく、むしろ希望なんじゃ?
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
※AERA 2021年5月17日号