――最初はその存在を受け入れられなかった竜太郎に、子どもたちへの愛情が芽生えていると感じるシーンが随所にありました。

 テレビドラマって映画と違って、その役者の地がどうしても出てしまうんです。悪人を演じていても人の好さが出るし、子ども嫌いの設定でもその人が持っているものが出る。田村さんはこちらの想像以上に素晴らしい演技でこたえてくださる俳優でしたが、「パパはニュースキャスター」では、もうちょっと子どもたちを冷たく突き放してくれたらいいのに、と不満に思っていました(笑)

――冷たく、ですか?

 というのも、僕が子ども嫌いなんです。脚本づくりで主人公を書くときには、いろんな人を参考にするのではなく、自分のなかの子ども嫌いやお酒好き、女性好きという要素を膨らませていったんです。

――竜太郎の設定は、伴さん自身に基づいていたんですね。確かに、田村さんの竜太郎はけっこう早い段階で、愛情をみせていたように思いました。

 だから出ちゃうんですよ(笑)。僕のイメージでは、最後まで竜太郎と子どもたちの心は寄り添わないはずだったんですけど、ああなっちゃったんです。ですが、それって言ってもしょうがない部分だし、それ以上に面白いと思ったので、これでいいなって。

――田村さんは、子どもがお好きだったんですか。

 そうですね。「うちの子にかぎって…」の子役たちとはLINEで連絡を取り合っていますが、子役たちはリアルな田村さんを知っています。「最初は小学生だから、田村さんがどれほどすごい人かはわからなかった」とピンとこなかったし、いわゆる雑談めいたことをすることもなく、出番が終わったら、すっと控室に帰られる。だから冷たいのかなと思ったら、本番では目を見て役者として接してくれる方だった、と。

――最後に田村さんにお会いになったのは、いつ頃ですか。

 かなり昔で、30年くらいはたっていると思います。ロケの後、お話することはありましたし、プロデューサーら数人と中華料理店に集まったこともあります。どこのロケだったのか忘れてしまったのですが、飲んでいたときに冗談好きの女性スタッフに田村さんがからかわれて、田村さんが彼女の頭をヘッドロックする、というようなこともありました(笑)。

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田村さんのスター性