緊急事態宣言の延長、長引く外出自粛要請。家庭内で親子が顔を突き合わせる時間が増えた。つい口うるさい親になっていないか。AERA 2021年5月31日号で、プロ家庭教師の西村則康さんに、コロナ禍の声かけのヒントを聞いた。
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──ほめるのが大事というのはわかりますが、我が子はほめると有頂天になるタイプ。また、きょうだいで得意なことや性格が違うので、比べてしまい、ほめるにも気を使います。
■自由裁量権を認める
ほめれば天狗になるタイプの子は私の教え子にもいます。そんな子には「叱りながらほめる」、または「ほめながら叱る」がポイント。例えば「あなたは計算力があるはずなのに、なんでこんな間違いをしたの?」「こんな難しいことができるなんてさすがだね。あと少しこの点を工夫したらもっと良くなるな」というふうに、プラスとマイナスを両方同時に伝える。そうすることで、自信を持ちながらも、もう一歩、頑張ろうと思えるはずです。
親は子どもに対してどうしても短所が目につきますね。きょうだいがいれば、欠点が多いと感じる子にばかり集中してしまったりもする。しかし、見方を変えれば、欠点と思えることは長所である場合も多いのです。
例えば、いつも遊びに夢中な子は好きなことへの集中力があるはず。逆に、勉強をささっとやってしまえる子は、スピードがあって頭の回転が速い一方、考えが雑なところがあるかもしれない。子ども一人ひとりの長所を認め、その子自身が何か少しでも成長したらほめればいいのです。きょうだいは互いを比べがちですから、もう一人の子にも同時にその子の良さをほめる。両方それぞれのいい部分に目を向けてあげてください。
──中学受験を控えた6年生。家庭学習時は、親が毎日の計画を立てています。中学に上がったら自主的に学習計画を立てられるでしょうか?
我が子を応援する親御さんの頑張りや努力は素晴らしいことです。手をかけた分だけ、ある程度の成功に導いてあげられるでしょう。しかし、ずっと親がサポートし続けるわけにはいきません。