かつて街中でよくみかけた電話ボックスのようなテレワークスペースも急増している。JR東日本や西日本といった鉄道会社が駅構内に個室型のブースを設けているほか、ビルの一角にも続々と登場している。

 オンライン取材をするため、千代田区のビルにあるブースを利用した。予約や入室の操作はすべてスマホで行う。予約時間になると、画面に「入室」ボタンが現れ、タップすると鍵が開いた。机と椅子、電源の最低限の設備がそろう。密室だから音漏れも気にならない。料金は15分で250円ほど。75分使ったので、約1300円だった。

 3大都市圏ではシェアオフィスやコワーキングスペースがいくつもある。月1万円以上するところもあるが、10分単位で利用できる施設も多い。地方でも移住者向けのテレワーク施設を整備する自治体がある。

 そうした施設をうまく活用すれば、テレワークと都心ライフを両立できるかもしれない。なにより、働く場所は生きる場所だと思う。その日、生きる場所を自分で決めるのも悪くない。(ライター・井上有紀子)

AERA 2021年5月31日号

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