ならば、どのようなケアが望ましいのだろうか。松峯医師にセルフケアのポイントを教えてもらった。2週間続ければ、腟まわりの皮膚がふっくらしてくるという。

(1) 洗うときは指でやさしく
 
 お風呂で腟まわりを洗うときは、タオルでこすらず、自分の指を使うことが大切。洗剤は、弱酸性のデリケートゾーン専用の洗浄剤がおすすめ。まずは湯船で温まるときに、自分の指で触れて外陰部の構造を確かめてみよう。

「腟の周囲には、腟の入り口を保護している小陰唇と、腟の周囲を守っている大陰唇があります。自分では見えない場所ですが、腟口、小陰唇、大陰唇をやさしく洗いましょう。」

(2) 顔と同様の保湿ケアを

 大事なのは洗いっぱなしにしないこと。小陰唇にはクリームをうすく伸ばしてつけて、大陰唇には、手のひらに1滴落としたオイルを温めてから、やさしく伸ばしてあげよう。

「デリケートゾーン専用のケア用品を使うほうが安心ですが、まずは、日ごろ使っているクリームやオイルを、『腟まわり』にも分けてあげるという感覚からスタートするといいでしょう。保湿ケアを2週間続けると、腟まわりの皮膚が潤って、ふっくらとやわらかくなるのが実感できます」

■ おりもの、かゆみ、においの悩みには

 上記のようなセルフケアを2週間続けても腟の不快感がある場合は、トラブルの可能性もある。医療機関に早めの受診を心がけよう。

「自己判断で市販薬を塗ると、炎症を起こしてしまうケースもあります。かゆみが強いとき、色のついたおりもの、においがきついおりものがみられたときは細菌性腟炎を起こしている可能性があるので、婦人科を受診してください」

 クリニックには「おりものや、かゆみ、においが気になる」と、受診する人たちもやってくる。

「ばい菌が入ったのでは?と心配する人たちのおりものをチェックすると、実際には何も問題がないことが多いんですよ。かゆみや不快感が生じるのは、下着についたカピカピに乾燥したおりものに触れてしまうのが主な原因。つまり、乾燥した自分のおりものに負けて、接触性皮膚炎を起こしてしまうわけです」

 実は、ショーツについた“カピカピに乾燥したおりもの”は、タンパク質が変性したもの。黄色っぽいため、「もしかして膿?」と心配になるが、空気に触れて乾燥して黄色っぽくなっただけ。ただ、それが皮膚につくと接触性皮膚炎を引き起こし、かゆみを生じることがある。ショーツの上からかいてしまうと、軽い炎症につながることがあるのだ。この一連の流れが、多くの女性を悩ませる“腟の不快感”の一つだという。

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