昨年オフ、大谷はメジャー3年目を終え年俸調停の資格を得たが、調停を回避して2年総額850万ドル(約9億3000万円)で契約を延長。21年は300万ドル(約3億3000万円)、22年は550万ドル(約6億円)でプレーすることになった。
新型コロナウイルスの影響で、メジャー各球団の収益も大幅に減。選手の年俸も削られ、平均年俸は19年の405万ドル(約4億4400万円)から159万ドル(約1億7000万円)になった。このような状況下の中で、大谷の契約などは今後どうなっていくのか……。
「エンゼルスには今後3つのシナリオがある。1つは期間内での契約延長オファー。もう1つは期間内に他球団へのトレード。最後の1つはFAとなった後、他球団と同様に交渉の席につく。大谷が在籍することで勝てるか?儲かるのか?多くのパターンをシュミレーションした上で答えが出る」(エージェント会社関係者)
22年で現行の契約が満了する大谷に対し、FA前(2023年シーズン終了後)にエンゼルスが好条件で契約延長を申し出る可能性もある。
前例として出されるのがマイク・トラウト。メジャー10年間で3度のリーグMVPに輝くスター選手だ。19年に12年総額4億2650万ドル(約467億円)で契約を延長し、現在の年俸はおよそ3700万ドル(約40億5000万円)。全球団へのトレード拒否権があり契約終了時の30年は39歳となる。エンゼルスでユニフォームを脱ぐことはほぼ間違いないだろう。
「トラウトは生え抜き選手であり人気絶大。マーケティングなどでも高額年俸を回収できる。最高位の優先選手でトレードは考えられない。そうなると大谷の未来も変わってくる。大谷と契約延長を交わした場合、世界一になれるかが重要。勝てないとなればチーム作りなども大きく変化する」(エージェント会社関係者)
エンゼルスは同19年のオフに、FAの大物内野手アンソニー・レンドンと7年総額2億4500万ドル(約268億円)で契約。チームは“勝つモード”になっているのは間違いないが、高額選手を抱えながら世界一が見えなければ、球団としてビジネス上でも意味がない。若手選手起用へシフトすることも考えられ、この場合トラウト以外の選手はトレード要員となる可能性もある。今季もここまでア・リーグ西地区で4位(24勝30敗)と低迷し、弱点と指摘される投手力などから将来への見通しも決して明るいとはいえない。