日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「新型コロナワクチンの現状と諸外国との差」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
【データ】発熱、頭痛だけじゃない!ワクチン接種後に確認された副反応と割合はこちら
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ちょうど2週間前に、2回目の新型コロナウイルスワクチンを接種することができました。高齢者の集団接種が始まる前に接種を終えることはできませんでしたが、大規模接種の開始など、本格的に全国でワクチン接種が始まる前に、無事に接種を終えることができ、ホッとしているところです。
というのも、勤務先のクリニックが担当する集団接種やクリニックでのワクチン接種に加え、福島県の相馬市にもお手伝いに行くことが決まったからです。ワクチン接種を終えてはいますが、日々の感染予防や体調管理には、今まで以上に気をつけている毎日です。
外来の現場では、ご高齢のかかりつけの方から「やっとワクチンを1回接種できました」と報告を受けることが増えてきました。まだ接種できていない方もいらっしゃいますが、「子どもにネット予約してもらって、ようやく予約が取れて、もうすぐ接種します」という声もたくさん聞かれるようになりました。やはり接種後の副作用が気になるご様子で、「先生はどうでしたか?」と聞かれることも増えました。
私は、幸いにも1回目も2回目も、痛みのみで済みました。「2回目の接種後は、高熱が出た」「頭痛がつらかった」という方が周囲にいたこともあり、2回目は不安が強かったのですが、結果的には、3日ほど続く痛みのみで済み、頭痛や熱は出ませんでした。
接種後に感じる痛みや発熱など、生じる症状は人それぞれのようです。痛みも全く感じず、他の症状もなかったという方もいます。ここ1カ月で、外来の現場では、接種後にはきけがひどかった方、血圧が急に上がってしまった方、蕁麻疹(じんましん)が広範囲に出てしまった方、息苦しさを感じた方など、さまざまな症状をきたした方にお会いしました。ワクチン接種はこうしたマイナス面ばかりでは、もちろんありません。新型コロナウイルス感染症を高い確率で予防できるというプラス面との両方を考慮した上で、接種を決めていただきたいなと思います。