日向坂が乃木坂、櫻坂と一線を画すのが、すべてのシングル曲にメンバー全員が参加していることだ。乃木坂では選抜に一度も選ばれないまま卒業するメンバーもいた。櫻坂も1列目と2列目の8人のメンバーは通称「桜エイト」と呼ばれ、カップリング曲も含めてすべての楽曲に参加。3列目の6人が曲ごとに入れ替わる体制となっている。

 楽曲のMVもセンターや1列目のメンバーは映像で流れる時間が多い。この流れに「逆行」しているのが日向坂だ。特定のメンバーの露出に偏った構成のMVは皆無で、22人全員のパフォーマンスが見られる。この全員選抜制度は日向坂のファンである「おひさま」に強く支持され、人気の源になっている。

「選抜制だと競争が高まり、グループ全体のレベルが底上げされる一方で、メンバー入りを巡りファンの間で不満が残るケースが少なくない。あとはメンバーのモチベーションですね。選抜から外れることが多いメンバーは自信を失い、露出も少なくなるケースが少なくない。乃木坂は人数が多いので選抜制にせざるを得ない事情もありますが…。全員参加だとその点のデメリットが解消される。最初は目立たなかった子もステージに立ち続けることでグンと伸びる時がある。濱岸ひよりは好例ですね。おとなしい性格で最初は大丈夫かなと思いましたが、メンバーに引っ張られる形でパフォーマンスも目を引くようになり、人気が高まっている」(アイドル雑誌出版社の社員)

 メディアへの露出が増えることで、新規のファンが増えてMVの動画再生回数も伸びている。一時の勢いではない。アイドルとして確固たる地位を築いている。(梅宮昌宗)

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