もしそうだとすれば、チームは今の大谷の起用法を大いに改める方が良いだろう。今季、大谷は先発登板の前後問わず、連日試合に出場し続けており、米メディアからも体調面を心配する声が多くあがっている。5月19日のインディアンス戦では、球速の低下が見られ、休養の足りなさが厳しく指摘された。もし、大谷がオールスターメンバーに選ばれなければ、オールスターブレイクと呼ばれる3日間を休養日に充てることができるので、チームはそれを目当てにし、大谷を出し続けて前半戦を乗り切ろうと考えているのかもしれない。
ただ、これらはあくまで現地メディアの予想であり、そもそも大谷がオールスターゲームに出場するには、ファン投票あるいは関係者投票で選ばれる必要がある。そして、その結果が出るのはまだ先の話だ。
だが、これだけ注目度が高い選手であればやはりその出場の実現を望む声は多く、メジャーリーグとしてもオールスターへの選出のみならず、ホームランダービーへの出場にも大いに期待している。特に、ホームランダービーは現地メディアも注目する。ホームランダービーはオールスターゲームの前夜に行われる名物イベントで、基本的にはオールスターに出場が決まっている選手のうち8人が選ばれ、トーナメント形式(3ラウンド)で本塁打数の合計を競い合うイベントだ。大谷は2019年に出場が期待されていたが実現せず、今年出場すれば、日本人初となるだけではなく、投手として史上初の快挙を成すことにもなる。
しかし、現状でいえば、大谷のオールスターゲームやホームランダービーへ出場は、すべてエンゼルス次第になるかもしれない。できれば、今の盛り上がりに水を差すような結果にならないことを望むばかりである。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)