辞任時、マスコミから香典の経緯を聞かれると、菅原氏は「二万については、自分が葬儀に出席する時に持参する香典の金額だった。秘書が代理で持参するのはダメだという意味。バレないように持参せよという意味ではない。結果的に秘書が香典を出した。しっかり言えばよかったが教育、指導不足だった」とLINEの一部を示し、説明した。

 だが、Aさんはこう反論する。

「LINEをよく見てください。二万の次に念押しで弐とあります。菅原本人が葬儀に出席するつもりがあれば、念押ししませんよ」

 さらにこう付け加えた。

週刊文春の報道に対して、後援会幹部を集めて、私や別の秘書たちをやり玉にして『秘書が週刊文春と組んで写真を撮らせ、私を経産大臣から引きずりおろした』『スパイだ』などといい、秘書に責任を押し付けていることがわかった。私も後援会幹部に呼ばれて『お前が文春に売ったのか』と言われた。本当に腹が立った」

 数か月後、Aさんは菅原氏から公設秘書から私設秘書に「降格」を言い渡されたのを機に事務所を去ったという。

 Aさんや菅原氏の秘書、スタッフは東京地検特捜部から多い人で20回以上、事情聴取を受けた。その中でAさんたちは菅原氏の香典や地域の行事のカネのばらまき以外でも話を聞かれたという。菅原氏が過去、カニやメロンを菅義偉首相、安倍晋三前首相ら有力国会議員、有権者に贈っていたことは、週刊朝日が2009年8月、特報している。

「カニやメロンは報じられてヤバイとやめた。しかし、その後も贈り物を配っていた。2019年4月は統一地方選があり、参院選が迫っていた。有名な果物店から大中小に分けた、カゴを取り寄せて地元後援会幹部をランク付けして持っていくように指示された。私は10人以上に持参しました。検事に話すと『菅原は本当に悪質、買収だ』と怒っていた」(Aさん)

 また2017年の衆院選の時、「ボランティアスタッフと聞いていた人に、ウラで時給いくらとカネを払っていた。今思えば、それもアウト」と告白する。

 また、菅原氏はポスター貼りと街頭演説の活動に力を入れていることをよく強調していた。その裏ではこんなことがあったという。

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