「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」が全国公開中だ。映画界を描いているだけあって、往年の名作やハリウッドに対するオマージュが各所にちりばめられているのも話題。監督は、1988年のデ・ニーロ主演の大ヒット作「ミッドナイト・ラン」の脚本家として知られるジョージ・ギャロが務めた。
1974年のハリウッド。B級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金が返せず大ピンチ。しかし、起死回生の大トリックを思いつく。危険なスタント撮影で死亡事故が起きれば、保険金が入って大儲けができる。
早速ボツにしていたサイテーの脚本を引っ張り出し、老人ホームから往年のスター、デューク(トミー・リー・ジョーンズ)を担ぎ出して西部劇の撮影を開始する。ただし真の目的は、映画を絶対に完成させないこと、そして撮影中にデュークに死んでもらうこと。ところがデュークは思いの外しぶとくて、撮影は順調に進んでしまう。さあ、どうするマックス!?
本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
クセ者老名優3人が揃って突きつけるのが“巨額の保険金か、それともアカデミー賞か?”。ハリウッド映画人にとってより大事なのはお金とオスカー像の名誉。名優の名演なんて映画ビジネスには関係ない、と教えられる。