王子夫妻を直撃する批判も少なくない。
メーガン妃が「死んでしまいたいと思った」と自宅で泣くシーンの後ろには、約22万円のエルメスのひざ掛けが置いてある。「私の毎月の給料より高いひざ掛けを背景に泣いても、関心は持てない」との声が出た。王子がギターを持つ姿には「なんだ、なんだこのコードは。これじゃまともな音が出るわけがない」と突っ込まれた。
さらに王子は「ロイヤルは型にはまった女性を結婚相手に選ぶが、自分は愛情から選んだ」と主張した。兄のウィリアム皇太子(40)がキャサリン皇太子妃(40)と結婚したことへの当てこすりのように受け取られた。王子がチャリティー活動にいそしんだアフリカのレソトで過ごした日々を振り返り、「僕はここで育てられた。まるで第二の家庭だ」と話したことに、チャールズ国王(74)は深く傷ついたとされる。王室スタッフがリークや作り話をしたと王子が述べたことには、夫妻からいじめにあったという元スタッフら「サセックス・サバイバーズ・クラブ」の面々が反論する機会を持つため、秘密保持のきまりを解いてほしいと申し出ている。
英国民の反応はどうだろうか。あるメディアのアンケートでは「見たくない。もううんざり」と回答した割合が84%に上った。なかでも国民が最も怒ったのは、9月8日に亡くなったエリザベス女王への侮蔑だった。
王子夫妻が出会いなどを振り返るシーンで、メーガン妃が初めて女王に会った時のことを思い出して語る。「君はコーテシー(儀礼)を知っているよね」と王子から尋ねられたメーガン妃は、両手を左右に大きく広げ、頭を深く下げてみせた。手本にしたのは中世風のゲームを見せ物にする米国のレストランの挨拶。「米国人ならわかってくれるはず」としたが、英王室にとって大切な伝統的マナーを揶揄や嘲笑の対象にしたと受け止められた。王子はその際、さすがに不愉快そうな表情はしたものの、妻を止めることができなかった彼にも不満が集まった。