■「みんなで話そう」

 そう言えば、整形のドクターはおなかの触診はしておらず、あーちゃんが骨と言うなら間違いないと思いました。

「ねえ、ちーちゃん? ゆうくんが何と言っても、ちーちゃんがひとりで決めるのはよくないよ。重すぎる。私も入るからみんなで話そう? ぴぴちゃんやコウにもしっかり話して、家族全員で考えるべきだよ。ふたりには私からわかりやすく説明するから」

 子どもたちは何も言っては来ませんでした。けれども、私が毎晩泣いているのは不自然であり、次女は長女に何かが起きていることには気付いているはずでした。

 でも、せっかく双子として生まれてきたのに、片方の子がいなくなるかもしれないという話を聞いてどう思うのだろう。

 その数日後、あーちゃんがター先生とともに、長女の命や今後について家族全員で考える機会を作ってくれました。

 その日の話し合いについては、次回書きます。結果的に、この話し合いのおかげで、その後の長女の身体の変化にも、私たちは決断を後悔することなくここまで来られたのだと思います。

 この日から、家族全員での闘病生活が始まりました。

〇江利川ちひろ/1975年生まれ。NPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)代表理事、ソーシャルワーカー。双子の姉妹と年子の弟の母。長女は重症心身障害児、長男は軽度肢体不自由児。2011年、長男を米国ハワイ州のプリスクールへ入園させたことがきっかけでインクルーシブ教育と家族支援の重要性を知り、大学でソーシャルワーク(社会福祉学)を学ぶ

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