AERA 2021年6月28日号より
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 知らず知らずのうちにとりすぎてしまう塩分。過剰摂取は、腎臓を酷使するだけでなく、さまざまな病気を招く恐れがある。濃いが味付けが好きという人こそ、減塩によるデトックスがおすすめだ。AERA 2021年6月28日号で、40代男性記者が3日間の減塩生活で味覚をリセットしてみた。その効果とは。

【図】記者が食べた超減塩メニューはこちら

*  *  *

 きっかけは、AGE牧田クリニック院長の牧田善二医師の一言だった。

「近年では尿を見ると健康状態がすべてわかるんですが、検査していきますか?」

 記者(42歳・男)は20代のころから年イチで健康診断を受けているが、異常な数値や病気が見つかったことは一度もない。同世代の友人の多くは肝臓や胃腸の不調を訴え、会うたびに顔色がどす黒くなっていく。それと比べればずいぶん健康体だ。

 今回も、「きっと問題ないだろう」と軽い気持ちで尿を調べてもらうことにした。2日後、検査結果を示しながら牧田医師が解説してくれたところによると、「アルブミンは正常値。よって腎臓病はない。ほかの項目も概ね問題なし。でも、食塩の摂取量が1日10.5グラムというのは多すぎる」。

 そう指摘されて思い当たったのは、ろくに味見もせずに調味料を投下してしまう悪癖だ。

■追い醤油に追いソース

 以前、ソース焼きそばにソースを、たらこスパゲティに醤油をかけて妻から激しく叱責されたのはここだけの話だ。

 コロナ禍で夜飲み歩くことはなくなったが、昼食はラーメンや牛丼など味付けの濃いものばかり食べている。まずはそのあたりから見直さないと──。

 こうして減塩生活がスタート。記者が実践した短期間の薄味生活で味覚をリセットする「反復1週間減塩法」は、塩、醤油、ソースなどの塩分を含む調味料や、ハム、ソーセージ、漬物など塩を含む食品は一切NGという厳しいもの。だが、味噌汁の塩分は排出されやすいという知見もあると聞き、「1日1杯の味噌汁はOK」にして、短期集中3日間の超減塩に挑戦した。

 1日目。いつも朝食はご飯、味噌汁、目玉焼き、納豆という和食大好き人間にとって、バナナ2本はさすがに物足りない。目玉焼きを追加。醤油をかけたくなるが、ぐっとこらえる。昼食にコンビニで購入したオニオンサラダをドレッシングなしで食べたところ、ものすごく辛い。ドレッシングのおかげで辛みがやわらいでいたのだと実感する。

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