自民党本部の出陣式に出席し、「頑張ろう」コールをする菅義偉首相
自民党本部の出陣式に出席し、「頑張ろう」コールをする菅義偉首相
この記事の写真をすべて見る
応援演説をする安倍晋三前首相
応援演説をする安倍晋三前首相

自民党候補の出陣式では”密”の危険性も
自民党候補の出陣式では”密”の危険性も

 秋に予定される衆院選挙の前哨戦とされる東京都議選が6月25日、幕を開けた。全42選挙区で127議席を争うが、前回の2017年は東京都の小池百合子知事が率いた都民ファーストの会(以下は都民ファ)が51議席を獲得して、圧勝。自民党は23議席で歴史的な惨敗となった。

【データ入手】都民ファーストが惨敗、自民党が優勢との結果がでた情勢調査はこちら

 AERAdot.で既報した自民党の事前の情勢調査では、今回の都議選の都民ファの予想議席は「6~19」と低調で、逆に自民党は「48~55」と圧勝しそうな勢いだ。

 この調査にすっかり気をよくした菅義偉首相は今朝、自民党本部の出陣式に出席。

 「頑張ろう!頑張ろう!頑張ろう!」と拳を振り上げ、先頭に立って連呼した。

「首相はえらくご機嫌でした。ライバルで犬猿の仲の小池さんは入院中で、これまで負け続けてきた選挙でやっと勝てそうなので珍しくはしゃいでいます。党本部では『小池が小池にハマっている間に議席を全て奪ってしまえ』『国会議員はドンドン勝ち馬に乗って、総選挙も大勝だ」などの声があがり、いつになく笑顔で盛り上がっています』(自民党関係者)

 告示日は安倍晋三前首相、麻生太郎副総理、河野太郎ワクチン担当相、野田聖子幹事長代理ら大物が総出で国政並みに応援に入る力の入れようだった。

 安倍前首相が参加した荒川区内で行われた前都議の出陣式は、約600人の聴衆が詰めかけ、ぎっしり。安倍前首相は「1964年のオリンピックは覚えていますか?生まれていない人も多いか…」と呼びかけ、上機嫌だった。

「自民党や陣営のSNSや動画では、聴衆を写さないように工夫していますが、完全に“密”でした。しかも、自然に集まった聴衆ではなく、ほとんどは業界団体からの動員です。自民党ははしゃぎすぎて、“三密回避”を忘れています。都議選後、感染拡大しないか、心配になります。麻生さんなんか、青梅の街頭演説で『小池知事の入院は自分で撒いた種』とさっそく失言していました」(政府関係者)

次のページ
自民党の不安は略式起訴の菅原一秀氏