石塚英彦さん(撮影/写真部・加藤夏子)
石塚英彦さん(撮影/写真部・加藤夏子)
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 新型コロナウイルスとの戦いも、すでに1年数カ月。緊急事態宣言の発出と解除が繰り返され、飲食店の悲鳴が聞こえる。そんな中、この男が立ち上がった。四半世紀もの長きにわたって食レポを続けてきた石塚英彦。お世話になった業界に恩返しをしようと、「まいう~」な名店を一挙紹介。

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「あれは34歳のときでしたから、もう25年も前になりますね」

 グルメ番組のレポーターを始めたころのことを、石塚英彦さんが回想する。

「最初は豪邸訪問の企画だったんですよ。でも掛け軸とかを紹介するよりも、豪華な夕食を前にしたときのほうが輝いて見えたんでしょうね。それでだんだん食のほうが多くなっていったんです」

 四半世紀にわたって食レポを続けてきた石塚さんにとって、コロナ禍で飲食店が苦しむ様子は、他人事ではない。

「先日あるお店に行きましたら、お客さんは誰一人しゃべらずに、食べ終わったらさっさと帰っていったんですね。その店が好きで応援したいという気持ちがあるから、きちんとルールを守っているんだなあと感心しました。僕も、お世話になった業界の方々が少しでも潤えばと、応援したい気持ちでいっぱいです」

 と言いつつ、肉まんをパクリと食べて「まいう~!」。

 食べたのは東京・日比谷「添好運(ティム・ホー・ワン)」の人気テイクアウトメニュー、ベイクドチャーシューバオだ。石塚さんが同店の思い出を披露する。

「厨房の中で、僕が教わりながら作る様子も撮影させていただきました。香港出身のシェフの方が、点心(海老と黄ニラのチョンファン)の包み方などをすごく優しく教えてくれたんです。しかも僕は明らかに下手なんだけど、褒めてくれた(笑)。シェフが笑顔を見せてくれるので、調子にのって3~4品も習いました。おいしいお店で働く人は、だいたい人柄がいい。中国のおいしい料理を日本の人に食べてほしい、日本の人を笑顔にしたいというのが根底にあるんでしょう。店全体が、優しいオーラに包まれていました」

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