そして、オーバー過ぎる演技も一つ間違えば胃もたれするのだが、いい具合で消化されていく。とある人物がパン屋でクリームパンを投げつけているところなんか、爆笑しながらとてつもなく惹きつけられる。とにかくずっと誰かが怒っている。沸点を常に超えているのだ。

 そして出てくる女性たちの美しさ。美術、衣装の豪華さはため息が出る。こういうところは僕なんかよりも女性が見た方がより惚れるだろう。

 どうやったらこんな物語が作れるのか分からないが、久しぶりに人に「絶対見て」と言いたくなるドラマ。「Mine」。

 お願いだからこれをパクった日本のドラマが出ないことを願う。それは痛すぎるから。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中

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