岸谷五朗さんがみた崔洋一監督の迫力「『赤サイ』になって、鬼の形相で走って行く」

――最近、崔監督に会いましたか？

　しばらくお会いしてなくて。鄭義信（チョン・ウィシン、「月は～」など、多くの崔作品の脚本を務めた）さんと今度「歌うシャイロック」（2023年2～3月）という舞台をやるんです。鄭さんと、「崔さんに観に来てほしいね。コロナが落ち着いたら飲みましょう」と話していたばっかりで。そのときにこの訃報だったんです。本当に残念です。

　理論的に話すことができて、話が面白かったですね。頭がいいのに、人間的な泥臭さも持っている方だったので、人間的な魅力が多方面に輝いていました。論理的で弁が立ちつつも、一方では瞬発的な行動にも出る。走る、笑う、どなる、どつく……。でもこれは根本的には、崔さんの優しさから出て来ていることは間違いないですね。いやぁ、本当に楽しい人、“刺激物”みたいな人でした。

（構成　本誌・唐澤俊介）

※週刊朝日オリジナル記事

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