HRダービーでもそのパワーを遺憾なく発揮したエンゼルスの大谷翔平(写真/gettyimages)
HRダービーでもそのパワーを遺憾なく発揮したエンゼルスの大谷翔平(写真/gettyimages)

 大谷翔平(エンゼルス)は野球選手として、歴史的な偉業を次々に達成している。また、二刀流としての話題性だけでなく、フィジカルでもメジャートップクラスであることを証明し続けている。

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 MLBオールスター期間中に世間の視線を独り占めにした大谷の勢いは、またまだ衰えそうにない。

 21年7月12~13日(現地時間)、クアーズ・フィールド(コロラド州デンバー)での2日間はメジャーリーグの歴史の中でも特別な日になるだろう。12日は大谷が日本人プレイヤーとして初めてホームランダービーに出場。第1ラウンドでフアン・ソト(ナショナルズ)に延長戦で敗れはしたが28本のアーチを描いた。そして翌13日はア・リーグの先発投手を務めるとともに、「1番・DH」として出場。オールスターでの“リアル二刀流”は史上初の出来事だった。

「ホームランダービー出場は驚異的です。特にオープニング、全選手が並んだ時に身体の大きさが(他の選手に)負けていなかったのは頼もしかった。日本人とかアジア人とか関係なく、メジャーの長距離打者の1人として見ていた。(打球が飛びやすい)デンバー開催ということを差し引いてもトップデッキに打ち込む打球もあった。最後、息があがっていたのもデンバーだからです(笑)」(米国在住スポーツライター)

 打者有利と言われる環境下で、持ち前のパワーがさく裂した。15本目に513フィート(約156.4メートル)で自身の最長を記録するなど、500フィート(約152メートル)超えは6本を数えた。スタットキャストと呼ばれるデータ解析ツールが導入されて以降、ホームランダービーの第1ラウンドで500フィート超え6本は史上最多。1ラウンドで敗退となったが、ケタ外れのパワーはメジャーリーガー相手にも全く見劣りしないことを改めて感じさせた。

「パワーがメジャーでもトップクラスであることを証明した。05年にはアジア人でもある韓国人のチェ・ヒソプ(当時ドジャーズ)が出場して期待されたが5本止まり。アジア系としてはパワー打者だがメジャーでは生粋の長距離打者ではなかった。ホームランダービーでは遠くへ飛ばす技術、パワーに加えて大舞台での精神的強さも求められる。大谷にはすべてが揃っているということです」(MLBアジア地区担当スカウト)

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今までのアジア人選手の概念を覆す?