スポーツのパフォーマンスにおいて人種の影響は決して小さくない。各競技で日本人やアジア人選手が欧米で活躍すると、大きな話題となる理由の1つでもある。これまでの日本人メジャーリーガーたちも、体格やフィジカル面では他の人種の選手たちと比べても劣る部分もあり、突出した技術や精神力でその差を補い戦ってきた。しかし大谷は堂々とがっぷりよつでメジャーリーガーたちと戦っている。

「悲壮感がなく常に楽しそうなのも良い。コロナ禍の時世、オリンピック開催さえも賛否両論が渦巻いている。日本中が重苦しい雰囲気の中、唯一の明るい光です。広告が集まるなどビジネス的側面もあるが、民放地上波でメジャーリーグが生中継されることも驚き。国民全体が大谷に希望を感じていることの表れではないでしょうか。日本人代表として見てしまうが、大谷本人は自分のスタンスでプレーし続けて欲しい。それが我々にも伝わりますから」(関東地区テレビ局関係者)

 オールスターの興奮はまだ冷めてはいないが、すぐに後半戦がスタートする。次に日本のファンが期待するのはなんといってもホームラン王の獲得だろう。「パワーでは日本人などアジア人はメジャーで勝てない」という概念を覆し、タイトルを奪取できるのか。これからも大谷の一挙手一投足から目が離せない状況が続きそうだ。

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