天気図から梅雨前線が消滅し、関東甲信も梅雨明けが間近です。ただ、週末からの注意点は「夏本番の厳しい暑さが続く」ということです。暑さがレベルアップして「危険な暑さ」の日もありますので、万全な熱中症対策を心掛けてください。
関東甲信 いよいよ「梅雨明け」か
2021年は、平年より7日遅く、6月14日ごろに「梅雨入り」した関東甲信地方。今年の梅雨は、大雨や短時間強雨(いわゆるゲリラ豪雨)の印象をもつ方も、いらしゃるかと思います。
実際、東京都心では、7月1日~3日の日降水量が、3日連続して50ミリ以上と、まとまった雨が続いた時期がありました。さらに、関東甲信は、先週末から大気の不安定な状態が続いたため、東京都心では、7月10日、11日、13日、14日と、連日「雷」を観測しました。
そんな、関東甲信の梅雨も、そろそろ終わりが見えてきたと言えそうです。
理由は2つ。1つは、天気図を見ますと、本州付近に停滞していた、梅雨前線が消滅したことです。代わりに、本州付近は、この後、夏の高気圧に覆われてくる見込みです。もう1つは、週間予報を見ますと、この先、晴れる日が続くことです。
そもそも「梅雨明け」とは、どういう状態で、どうやって決めているのかと言いますと、くもりや雨の日が多い梅雨の天候から、晴れて暑い夏の天候へと季節が変わる頃を「梅雨明け」と呼んでいます。気象庁では、それまでの天候と、その先1週間の予報をもとに、天候が変わりはじめたと判断した場合、地方ごとに「梅雨明けしたとみられます」という情報を発表しているのです。
そのため、関東甲信では、この週末にも「梅雨明け」する可能性が高くなっています。ちなみに、関東甲信の梅雨明けは、平年ですと7月19日ごろです。
なお、梅雨入り・梅雨明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。また、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮して検討を行い、梅雨入り・梅雨明けの確定値を決めて、秋に発表しているのです。
熱中症 一番上の「危険」レベルが続く所も
ただ、梅雨明け後は「危険な暑さ」に注意が必要です。
18日日曜以降、最高気温は、熊谷や前橋、甲府では、35℃以上の猛暑日が続くでしょう。熊谷や甲府では、36℃と予想されている日もあります。梅雨明けしたとたん、暑さが一段とレベルアップして、猛烈な暑さが長く続くようになるので、熱中症への警戒が必要です。
熱中症情報を見ますと、気温だけでなく、湿度も高いので、一番上のレベルの「危険」な日が多くなっています。
また、東京都心や横浜では、最高気温は33℃くらいですが、夜から朝にかけて、気温がなかなか下がらず、「最低気温が高い」のがポイントです。最低気温は25℃くらいで、寝苦しい夜が続くでしょう。昼間も夜間も、万全な熱中症対策を心掛けてください。
今年の夏も欠かせない 新しい生活様式における 熱中症予報行動のポイント
今年の夏も、新型コロナウイルス感染拡大防止を心がけながら、新しい生活様式の中で、熱中症を予防することが求められています。
ポイントは5つあります。
① 適宜、マスクをはずしましょう。屋外で、周りの方と、2メートル以上(十分な距離)離れている時は、マスクをはずして、休憩をとってください。その際、ウイルス感染対策は、忘れずに行いましょう。一方、マスクを着用している時は、激しい運動は避け、気温や湿度が高い時は、特に熱中症に注意が必要です。
② できるだけ、暑さを避けましょう。なるべく涼しい服装を選び、日傘や帽子を利用してください。少しでも体調が悪くなったら、涼しい場所や日陰へ移動しましょう。
③ 喉が渇く前に、こまめに水分を補給しましょう。汗を大量にかいた場合は、水分だけでなく、塩分補給も忘れないでください。
④ エアコン使用中も、こまめな換気を行いましょう。換気のためには、窓とドアなど2か所を開放したり、扇風機や換気扇を併用したりするのが、おススメです。換気をしたら、エアコンの温度は、こまめに再設定してください。
⑤ 日頃から暑さに備えた体づくりと、健康管理を行いましょう。「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる運動を、毎日30分程度行い、体温測定や健康チェックを習慣にしてください。もし、体調が悪いと感じたら、無理をしないで、自宅で静養することが必要です。
高齢者や子ども、障がいのある方々は、特に熱中症になりやすいので、周りの方が気を配るなど、十分注意してください。