16年リオでは山縣亮太・飯塚翔太・桐生祥秀・ケンブリッジ飛鳥で銀メダルを獲得 (c)朝日新聞社
16年リオでは山縣亮太・飯塚翔太・桐生祥秀・ケンブリッジ飛鳥で銀メダルを獲得 (c)朝日新聞社
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AERA 2021年7月26日号より
AERA 2021年7月26日号より

 陸上男子400メートルリレーは、山縣亮太、多田修平、小池祐貴らがメンバーの候補になっている。今大会でもメダル獲得に期待が高まる。走順はどうなるか。AERA 2021年7月26日号から。

【表】男子400メートルリレー メダルの歴史

*  *  *

 集めた五輪のメダルは銀二つ。東京で陸上男子400メートルリレーが目指すところは、もう頂点しかない。

 男子400メートルリレーの日本は2008年の北京五輪で銀メダル(ドーピングで3位から繰り上がり)を獲得して以来、五輪、世界選手権のメダル常連国になっている。

 五輪では、前回の16年リオデジャネイロ大会で、100メートルの世界記録保持者ウサイン・ボルトを擁するジャマイカに次ぐ銀メダル。その後も17年ロンドン、19年ドーハ世界選手権でいずれも銅メダルを手にしている。

 東京五輪に向けて金メダルへの期待は高まっている。日本陸連の強化担当者も、選手たちもことあるごとに「金メダルを目指す」と口にする。

 実際、最近の男子短距離陣の躍進には目を見張るものがある。

 今年6月、山縣亮太(セイコー)が9秒95の日本新記録を樹立した。17、18年に10秒00をマークしている山縣にとっては悲願の9秒台突入だった。このほか、9秒97の自己ベストを持つ前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)、日本選手として初めての9秒台となる9秒98をマークした桐生祥秀(日本生命)、同じく9秒98の自己記録を持つ小池祐貴(住友電工)と、計4人の9秒台選手がそろった。

 この4人がベストの調子でリレーを組めば、表彰台の中央に立つ可能性もゼロではなかった。

■走順はどうなるか

 好事魔多し。

 桐生は今季、短距離走者の“職業病”とも言える右アキレス腱痛に悩み、日本選手権の100メートルで5位に沈んで個人種目での代表を逃した。アンカーとして期待されたサニブラウンの調子も上がっていない。日本選手権100メートルでは6位に終わり、五輪の個人種目は200メートルに出場する。

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