水泳が強く10人を数える。内訳は競泳4人、アーティスティックスイミング4人、飛び込みが2人。このうち4人は近畿大学附属高校出身だ。このなかで入江陵介は2012年大会で銀2つ、銅メダルを1つ取っている。なお、近畿大学附属から近畿大水泳部に進んだ選手に、2012年大会の銅メダリスト、寺川綾がいる。

 東京2020大会ではベテランも活躍する。アーチェリーの古川高晴(36歳)は2004年大会から5回連続出場となる。古川は東大阪市を表敬訪問した際、こう話している。

「今までの経験から『メダルを取ってやるぞ』と思うと力んでしまう。普段の国際大会のようにリラックスしてプレーし、自分の持っている力を全部出せるようにがんばります」(ネットニュース「週刊ひがし大阪」21年5月26日)

 同じく8位は中央大13人だ。石川祐希(バレーボール)は在学中から日本代表に選ばれ、もっとも名前が知られている。イタリアのプロチームで活躍していた。中央大学の魅力をこう話している。

「体育系の学生にも理解のある先生が多く、どうしてもスポーツがメインになってしまう中で勉強もしっかりサポートしてもらえるところです。それから学食をはじめとしたキャンパスの施設も充実しています。学食は4階のうどんと2階のパン屋が特に気に入っています」(中央大ウェブサイト2016年7月26日)

 部井久アダム勇樹(ハンドボール)の父はパキスタン人で母は日本人、岡澤セオン(陸上)の父はガーナ人で母は日本人だ。

 池本凪沙(水泳)は今年入学した法学部1年。近畿大附属高校出身だが、近畿大ではなく中央大を選んだ。

 大学が得意とする競技で東京2020大会に代表を輩出したところがいくつかある。

*山梨学院大9人 6人がホッケー
*帝京大6人 5人が空手
*東海学院大4人 4人全員ホッケー
*至学館大4人 4人全員レスリング
*金沢学院大4人 3人はトランポリン
*大東文化大4人 3人がテコンドー
*日本経済大4人 3人がセーリング
 など。

 また、日本の大学出身で海外の代表になったアスリートがいる。何人か紹介しよう。

*オマーン代表、アル・アダウィ イサ(競泳)=中京大
*ラオス代表、シティサーン スックパサイ(柔道)=天理大
*フィリピン代表、渡邊聖未(柔道)=早稲田大
*フィリピン代表、カルロス・ユーロ(体操)=帝京短大
*アメリカ代表、國米櫻(空手)=同志社大出身

 大学のグローバル化はこういうところでも示されている。

<文中敬称略>

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫

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