選手のコロナ感染で地方大会を辞退した東海大相模の門馬監督 (c)朝日新聞社
選手のコロナ感染で地方大会を辞退した東海大相模の門馬監督 (c)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスが高校球児の夏を振り回している。

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 出場辞退校が続出する一方、世論の後押しによって辞退が撤回されたケースも出た。

「出場か?辞退か?」

 誰も正解がわからない状況下、現場からは生々しい声が聞こえてくる。

「この度は、本校野球部で新型コロナウイルス感染によるクラスターを発生させてしまいましたこと深くお詫び申し上げます」(門馬敬治・東海大相模監督)

 7月24日、神奈川県高野連から東海大相模が地方大会の準々決勝の出場を辞退することが発表された。同校は春の選抜甲子園で優勝、春夏連覇の偉業達成を目指している最中だった。春夏4度の全国制覇を達成した同監督は、今夏限りでの退任を発表していたことでも注目を集めていた。また石川県の星稜も21日、同様に地方大会出場辞退を発表したばかりだった。全国でも有名な強豪校が選手のコロナ感染で予選を辞退し、高校球界を騒がせている。

「東海大相模、星稜とも全国大会で結果を残せる学校。毎年プロ予備軍を抱えており注目度は高く関係各位も出場させたかったはず。しかし部員に複数感染者が出てしまったので出場辞退は回避できなかった。両校ともクラスター感染だったので管理責任の観点からもしょうがない。両校監督とも責任を感じているはずです」(スポーツ新聞アマチュア野球担当)

 一方で、米子松蔭(鳥取)は一度は出場辞退が決定されたが、白紙撤回され出場を認められた。野球部以外の学校関係者が感染しての辞退だったため全国から疑問、批判が殺到。世論の声に後押しされる形で同県高野連が一転して出場を認める騒ぎとなった。

「各校関係者は出場させてあげたい気持ちが強い。高野連など主催者側としてはリスクを最小限に抑えたい。どちらの考えも理解できる。今回は早急に動いた鳥取県高野連のファインプレーとも言えます。しばらくコロナ禍が続きそうですから他競技を含め、(選手、関係者にコロナの感染が判明した場合)大会出場を認めるかどうかの線引きが難しくなります」(スポーツ新聞アマチュア野球担当)

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現場の本音は?