久保でも堂安でもなく日本代表で市場価格が最も高い選手は、DF冨安健洋(22)だ。
その価値は約25億円。イタリア1部リーグのボローニャに所属し、センターバックやサイドバックとして活躍。188cmの体格とスピードを生かしたプレーは現地メディアからも絶賛されている。イタリアの名門ACミランが獲得に強い関心を示しているという報道もある。
久保に次ぐ市場価格がついているのは、MF遠藤航で約12億円だった。オーバーエイジ枠で選ばれ、チームの中心的存在だ。ドイツ1部リーグのシュツットガルトに所属し、チームキャプテンに任命されるほど信頼も厚い。今大会では海外の選手を相手に力負けしない姿を攻守で見せており、SNSでも「フィジカルがエグい」と称賛の声が溢れている。六川さんは「遠藤はこれくらいできて当たり前」と厳しいが、それほどの実力を持つ選手といえる。
■オランダで急成長
評価を高める活躍を見せる選手は他にもいる。スポーツライターの栗原正夫さんは、MF田中碧(22)とDF板倉滉(24)の活躍は目を見張ると言う。
田中は7月、所属していた川崎フロンターレからドイツ2部リーグのデュッセルドルフに移籍した。初戦の南アフリカ戦では、正確な右クロスを上げ、久保の得点につながった。メキシコ戦では堂安にスルーパスを通し、相手ディフェンダーのレッドカードを誘うなど活躍を見せている。
板倉は、所属はイングランドの強豪マンチェスター・シティーだが、期限付きの移籍でオランダ1部リーグのフローニンゲンでのプレーが評価を得た。186センチと長身で、今大会でも海外の選手を相手に競り合いに勝つシーンが目立つ。パスもできるディフェンダーとして注目も集めている。栗原さんはこう語る。
「田中は前線に出すパスが良く、攻撃につながる良いプレーをしていた。移籍先でも活躍が期待できる活躍を見せています。板倉は冨安の代わりに出てきたが、冨安の不在を感じさせない活躍を見せている。守るだけではなく攻めるためのパスを出しているのも見ると、オランダでの成長を感じますね。今後、評価をより高めるのではないでしょうか」