放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」について。
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細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」と見に行ってきました。細田監督と言えば「時をかける少女」「サマーウォーズ」「バケモノの子」などなど大ヒットアニメ作品多数。
僕は「サマーウォーズ」が一番好きなんですが、今回の新作。ネットで見るといろいろ賛否両論あるみたいですね。ネットを開くと、この映画から発信する「危険すぎるメッセージ性」なんて記事を書いている人もいたり。
やはり大きなヒット作を出している人は過去の自分の作品と戦わなければならないので大変ですよね。ファンは「比較」してしまう人も多いから。
僕は、この作品。とてもとてもおもしろいと思いました。大好きですし、終わった後劇場で拍手したくなった。ただ、見る人の年齢、自分の置かれている環境により、感想が大きく変わってくるのもわかります。
この作品のあらすじを簡単に。高知県の自然豊かな田舎町に暮らす17歳の女子高生すずは幼い頃に母親を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。お母さんと歌うことが大好きだったけど、お母さんが亡くなったことをきっかけに歌うことができなくなってしまったんです。そんな鈴が、友人に教えて貰った仮想世界「U(ユー)」。アプリみたいなもんで、スマホからも入れるもの。そこに入り、「ベル」というアバターを持つ。その「U」の中で、ふとしたことがきっかけで歌い出す。その中で自作の歌を披露するベルはUの中で人気者になっていく。そんなベルの前に、「U」の世界で恐れられている竜の姿のアバターが現れる。めっちゃ強くて、この「U」の世界で指名手配的感じになっている。
さあ、ベルと竜の距離が徐々に近づき始め……ベルはどうなる?竜は誰なの?ってお話。
細田監督、12年ぶりの仮想空間を舞台にした物語で、「サマーウォーズ」好きな自分としてはオープニングでかなり鳥肌。が、「サマーウォーズ」を求めていくと、そこは違うんですね。