シングルスの準決勝で敗退後も、伊藤のインスタグラムには中国語で「日本の恥」などと書き込まれ、心無いコメントは止まなかった。

 明るいキャラクターで日本では人気の伊藤だが、突然のバッシングの理由について、先の記者はこう解説する。

「伊藤を叩きたいのではなく、あまりに強いから叩かずにはいられないということだと思います。卓球が国技で、国の威信をかけている中国の人々が、まだ20歳と若い伊藤に本当に世界一の座を奪われかねないと、焦っているのでしょう」

 今大会、女子シングルスで中国勢の牙城は崩せなかった。銅メダルを手にした伊藤は、「負けた後もたくさん励ましてもらって、みなさんすごく明るく接してくれて、気持ちを切り替えることは早くできたけど…。正直、勝っても準決勝の悔しい気持ちと、自分のうまくいかなかった気持ちが残っている」と話し、目に浮かんだ涙を、「悔し涙です」と言い切った。

 日本卓球界の歴史を変えても、なお高みを見続ける20歳。中国勢を倒すまで、まだまだ強くなる。(AERA dot.編集部)