コロナ禍の今は、営業職の人にとっては取引先への訪問や外回り営業がはばかられる難しい時期。でも、そんな時だからこそ、手書きの一筆が効力を発揮するという。
「先方へ送る請求書や納品書、資料、商品やサンプル品の発送時など、機会を見つけてはそのつど一筆を添える。地道に続けていれば、顧客とのつながりを保ち続けることができます」(同)
■ 一筆箋は「三構成」が基本の型
一筆箋とは、小型の短冊のような形状の細長い便箋のこと。通常の便箋よりも文字を書くスペースが少なく、贈り物の添え状や荷物や書類を送る際の簡単な説明書きなどに使える便利アイテムだ。
受け取る相手の気持ちを最優先に考えて読みやすく書けば、文章を書き慣れていない人でも、ほぼ失敗はないという。だが、具体的に何をどう書けばいいのか。
「あいさつ、用件、結びの言葉。三つの流れに沿って書きましょう。一筆箋ですから、『先日はありがとうございました』『いつもありがとうございます』など、あいさつと日ごろの感謝を書き出しの一行にまとめる。また、先方が風邪をひいたことなどを事前に知っているなら、『その後、お加減はいかがでしょうか』など相手を気遣う言葉を。いたわりやねぎらいの気持ちを伝えることで、受け手もうれしく感じて、好印象をもってもらえます」
用件も長く書く必要はなく、1~2行程度で十分。相手の側に立って、シンプルで読みやすい文面を心がけたい。最後の結びの言葉は、3パターンを使い分ける。次につなげる言葉、健康を気遣う言葉、相手の幸せや発展を願う言葉のざっと3つに分けられる。
「この3パターンを心得ていれば問題ありません。具体的には『今後ともよろしくお願いいたします』『次回またご用命いただければ幸いです』、『ご自愛ください』『お身体を大切になさってください』、『益々のご発展をお祈りいたします』など、状況に合った言葉で結びます。定番フレーズをいくつか用意しておけば、悩まずラクに書けますよ」
■ 文字をきれいに見せる簡単テクニックとは
字が下手だから……と書く字に自信がなく、手書きを敬遠する人も多い。しかし、ペン習字のお手本のような美文字である必要はない。相手が読みやすいことが大事。ちょっとしたコツさえつかめば、スッキリ見えて味のある手紙が誰でも書けるという。