レース後の報道陣との一問一答は以下のとおり。

――レース後には涙も見えたがどんな気持ちだったか。

 まあ無事に自分たちのレースが終えられたことだったり、一度はあきらめた東京オリンピックだったんですけど、しっかり決勝の舞台でみんなで泳ぐことができたっていうことは本当にうれしかったです。

 この数年間は本当につらかったし、人生のどん底に突き落とされて、ここまで戻ってくるのはすごく大変だったし。だけど、2大会連続でこの舞台に戻ってこられたっていうことは、自分自身にしっかり誇りを持っていけるなというふうに思います。

――レース前はどんな気持ちだった?

 今回は、競泳はなかなか決勝まで残ることが難しくて。自分たちがこうして決勝に残ることができて、観客席の(日本競泳陣の)みんなが見えたときにみんなの思いを背負って泳ごうと思って。まあ自分のタイムは予選から落としてしまったんですけど、それでもしっかりこの世界の舞台、決勝の舞台で泳げたことは、自分にとって大きなことであり、今後につながることだとも思うので、そこは自信を持って今後に生かしていきたいですし。今回自分自身もタイムを落としてしまったということだったり、自分が世界から見てまだ後れを取っているということが、目に見えてわかることでもあったので、また今後、自分が世界大会に出ていって、池江がどんどん強くなっているという姿を見せていけたらなと思います。

――100メートルバタフライのすごい選手と一緒に泳いだ。自分で感じた課題などは?

 予選は前半すごい速いタイムで入って、後半浮いてしまったので、(今日の決勝は)前半抑え気味で行こうと思ったんですけど、逆にそれがうまくはまらずに。やっぱり積極的なレースが必要だなっていうふうに周りを見ていて思いましたし、本当に自分の足りないところがたくさん見つかる、そんな試合だったと思うんで。オリンピックと言う大きな舞台、選手たちにとって本番という意味になると思うんですけど、本番の舞台で力を発揮するということの難しさをあらためて感じた試合でもあったので。自分の弱点だったり、逆に自分の強みを見つけられたりする試合にもなったんじゃないかなと思うので。これから悪いところだけじゃなくて、自分のよかったところをたくさん見つけてあげて、次に向けて強化していきたいと思います。

――パリ五輪のメダルを考えたときに、女子100メートルバタフライのレベルの高さをどういうふうに捉えていた?

 なんかわかんないんですけど、すごくいけるなと思ったレースでもあって。別に自分のタイムがいま速いわけでもないですし、自信があるわけでもないんですけど、1バタの決勝のレースを見たときに、自分はこの舞台で活躍できるんだという、そういう自信が勝手に湧き上がってきました。

――池江さんにとって(400メートルメドレーリレーの第3泳者として)1バタで決勝を泳いだことは?

 まずは2回バタフライを泳げたということがすごくうれしくて。自由形はミックス(混合メドレーリレー)とフリー(400メートルリレー)で2本泳げたんですけど、どうしてもバッタ(バタフライ)は2本泳ぎたい気持ちもありましたし、決勝に残りたいっていう気持ちが強かったので、決勝の舞台で世界のレベルの高さをあらためて感じられたのはよかったなと思います。

(編集部・深澤友紀)

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