第3泳者としてバタフライを泳いだ池江璃花子(gettyimages)
第3泳者としてバタフライを泳いだ池江璃花子(gettyimages)
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7月30日の予選で決勝進出を決めた池江璃花子(gettyimages)
7月30日の予選で決勝進出を決めた池江璃花子(gettyimages)

 白血病から復帰して東京五輪の競泳に出場している池江璃花子(21)が8月1日、女子400メートルメドレーリレーで、今大会初めて決勝の舞台に立った。背泳ぎの小西杏奈(25)、平泳ぎの渡部香生子(24)に続き、バタフライの泳者として登場。力泳して自由形の五十嵐千尋(26)につなぎ、3分58秒12で8位入賞を果たした。

【写真】決勝進出を決めたときはこの表情

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 2019年2月に白血病を公表。一度はあきらめた東京五輪だった。奇跡の復帰を遂げ、4月の日本選手権で代表の座を勝ち取った。

 ただ、体力や筋力が完全に戻っていないため、個人種目は断念してリレー3種目に出場。自由形で出場した女子400メートルリレーと混合400メートルメドレーリレーは全体9位で惜しくも予選落ちした。だが、バタフライの泳者として出場した7月30日の女子400メートルメドレーリレー予選では全体6位の3分57秒17をマークし、最終種目でついに決勝進出を果たした。

 池江はレース後、涙声でこう語った。

「この数年間は本当につらかったし、人生のどん底に突き落とされて、ここまで戻ってくるのはすごく大変だったし。だけど、2大会連続でこの舞台に戻ってこられたっていうことは、自分自身にしっかり誇りを持っていけるなというふうに思います」

「この世界の舞台、決勝の舞台で泳げたことは、自分にとって大きなことであり、今後につながることだとも思うので、そこは自信を持って今後に生かしていきたい」

 今回泳いだバタフライは得意種目。

「(予選と決勝で)2回バタフライを泳げたことがすごくうれしい」

 出場しなかった女子100メートルバタフライの決勝レースを見て、3年後のパリ五輪への手ごたえを感じたという。

「なんかわかんないんですけど、すごくいけるなと思ったレースでもあって。別に自分のタイムがいま速いわけでもないですし、自信があるわけでもないんですけど、1バタ(100メートルバタフライ)の決勝のレースを見たときに、自分はこの舞台で活躍できるんだという、そういう自信が勝手に湧き上がってきました」

 収穫の多い夏となった。

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涙の理由