「甲斐は肩の強さを含め捕手としての印象が強いが打撃も良くなった。配球をしっかり読んでの対応が素晴らしい。気持ちも強い選手なので大舞台では頼りになります。栗原も1球でバントを決めたのが良かった。あれで甲斐もスムーズに打席に入って行けたはず。2人の活躍は本当にうれしかった」(ソフトバンク関係者)
甲斐は初戦から粘り強く投手陣をリードしてきた。アメリカ戦など苦しい流れの試合をひっくり返せたのは、最後まで試合を壊さなかったから。打撃面でも好調をキープしており、オープニングラウンド第2戦、7月31日メキシコ戦では4打数3安打1打点と9番打者ながら大暴れ。準決勝の韓国戦でも山田の決勝打の前に、しっかり四球を選んでチャンスを広げた。
栗原も出番は決して多くはないが、その存在はチームにとって貴重だ。昨年には日本シリーズのMVPに輝くなど、大舞台での強心臓ぶりが目立つ。
「栗原はシーズン中と同様、自分の役割に徹している。アメリカ戦は相当なプレッシャーがあったはずだが普通にバントを決めた。出番を想定してしっかり準備していたのだろう。明るい性格でチームを盛り上げているのも想像できる。侍ジャパンに欠かせない選手になっているはずです」(ソフトバンク関係者)
ソフトバンク勢では唯一投手として選出された千賀も、今五輪での初登板でシーズン中の不安を払拭するピッチングを見せた。
「千賀の復活は勇気を与えてくれた。エースとして期待していただけに、今季の故障や不調は関係者の頭を悩ませていた。稲葉監督も投手編成の組み直しを余儀なくされたはず。しかしここに来て本来の姿に近くなっている。長い回も投げられるのでチームとして本当に大きい」(NPB関係者)
今季は下半身の故障で出遅れ、1軍復帰した7月6日のロッテ戦では3回途中を10失点と炎上。侍ジャパンでは先発ローテーションを外れブルペンに回った。不安もあったが、初登板となったアメリカ戦では2回を投げ打者8人から5つの三振を奪う快投で復活をアピールした。